「喪中の方にお歳暮を贈っていいの?」「自分が喪中だけどお歳暮を贈って問題ない?」——毎年年末が近づくと、このようなご相談をたくさんいただきます。
さらにお歳暮の時期ならではのご質問として、「喪中はがきが届いた相手にお歳暮を贈っても失礼にならない?」というご相談も毎年多くいただきます。
お歳暮は日頃の感謝を伝える「季節の挨拶品」であり、相手が喪中でも自分が喪中でも、基本的には贈って差し支えありません。お祝い事ではないため、喪中の慣習とは別物として考えていただいてよいのです。
ただし、時期の選び方や、のし・表書きの選び方、年内に届けられなかった場合の対応など、知っておくべきポイントがいくつかあります。20年以上ギフトの現場に携わってきた立場から、本音でわかりやすくお伝えします。
なお、お歳暮のマナー全般についてはお中元・お歳暮のマナーと相場ガイドもあわせてご覧いただければと思います。

📋 この記事でわかること
- 喪中の方にお歳暮を贈っても失礼にならない?
- 自分が喪中のとき、お歳暮を贈るのは非常識?
- 喪中はがきが届いた相手にはどう対応する?
- のしや水引はどう選べばいい?
- 年内に届けられなかった場合、表書きはどうする?
- 故人宛にお歳暮が届いてしまったときの正しい対応は?
- お返しの表書き・金額の目安は?
そもそも「喪中」と「忌中」の違いとは?
📖 「喪中」と「忌中」の違い
| 用語 | 期間の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 忌中(きちゅう) | 四十九日まで | 最も気を落ち着かせる時期。贈り物は控えるのが基本 |
| 喪中(もちゅう) | 忌明け〜1年程度 | お祝い事は控えるが、お中元・お歳暮など日常の挨拶は問題なし |
お中元・お歳暮はお祝い事ではないため、喪中期間であれば贈って差し支えありません。避けるべきは「忌中」の期間です。
相手が喪中でもお歳暮を贈っていい?
お歳暮は「お祝い」ではなく「季節の挨拶・日頃のお礼」という性質のものです。そのため、喪中の方へ贈ることは基本的に問題ありません。お中元と同じ考え方で差し支えありません。
ただし、亡くなってから四十九日以内の「忌中」にあたる場合は、ご遺族の心労も大きく、贈り物への対応も難しい時期です。この期間は時期をずらして、忌明け後(四十九日法要後)を目安に贈るのがよいでしょう。
相手の四十九日がいつか分からない場合は、亡くなってから1ヶ月程度が経過していれば概ね問題ないと考えていただいて大丈夫です。少し時期をずらすことで、受け取る側の負担も減り、気遣いが伝わります。
💡 専門家コメント
忌中を過ぎていれば贈って差し支えありません。相手の四十九日がいつか分からない場合は、亡くなってから1ヶ月程度を目安にしていただければと思います。どうしても心配な場合は、親しい間柄であれば一声かけてから送ると、より丁寧な印象になります。
自分が喪中のときお歳暮を贈っていい?
自分自身が喪中の場合も、お歳暮を贈ること自体は差し支えありません。お歳暮はお祝いの品ではなく、日頃お世話になっている方への感謝の気持ちを届けるものだからです。
ただし、身内が亡くなってまもない「忌中(四十九日以内)」の期間は、慌ただしく気持ちの整理もついていない時期です。この期間は無理に贈らず、四十九日法要が済んでから贈るのが自然な流れです。
お歳暮の時期(12月初旬〜12月20日頃)を過ぎてしまう場合の表書きの対応については、後述の「のし・表書きの選び方」をご参照ください。
💡 専門家コメント
「喪中なのに贈るのは非常識では?」と遠慮される方がいますが、その心配はありません。お歳暮はお祝い事ではないため、喪中であっても贈って差し支えありません。ご自身の状況に応じて、無理のない範囲で贈っていただければと思います。
喪中はがきが届いた相手へのお歳暮はどうする?
お歳暮ならではの状況として、喪中はがきが届いた相手にどう対応するかというご相談が毎年多く寄せられます。喪中はがきは11月頃に届くことが多く、ちょうどお歳暮の準備時期と重なるためです。
基本的な考え方は変わりません。お歳暮は1年のお礼を伝える挨拶品ですので、喪中はがきが届いた相手へも贈って差し支えありません。ただし、のし・水引は白無地の掛け紙(のし・水引なし)を使い、表書きは「御歳暮」または「お歳暮」として送るのが丁寧です。
タイミングとしては、できれば四十九日が明けてからが望ましいです。四十九日が年明けにかかる場合は、後述の「年内に届けられなかった場合の表書き」をご参照ください。
喪中はがきで初めて訃報を知った場合
近年は家族葬が増え、喪中はがきで初めて訃報を知るケースも多くなっています。この場合は、まずお悔やみのお電話を差し上げるのが望ましいです。
その後のお歳暮については、香典との兼ね合いで判断していただければと思います。
- 香典を送る場合:喪中はがきが届いてすぐ香典を送り、1週間程度おいてからお歳暮を贈るのがスムーズです。
- 香典を辞退されている場合:白無地掛け紙の「御歳暮」として送るか、「お供え」として送るかを関係性で判断していただければと思います。

💡 専門家コメント
どちらの選択肢が正解かは、相手との関係性や状況によって変わります。迷ったときは「お供え」として日持ちするお菓子やお線香などをお送りするのが無難です。「御歳暮」としてお送りすることへの負い目も少なく、相手も受け取りやすくなります。
のし・表書きの選び方
お歳暮ののしは通常、紅白蝶結び(花結び)の水引+のし紙を使います。表書きは「お歳暮」または「御歳暮」が一般的です。
喪中の方への配慮として白無地の掛け紙を使う場合も、表書きは「御歳暮」のままで差し支えありません。また、故人と特に親しかった場合は「お供え」として表書きを変えて贈ることで、弔意もあわせて表現できます。
| ケース | のし・水引 | 表書き |
|---|---|---|
| 通常のお歳暮 | 紅白蝶結び・のしあり | お歳暮・御歳暮 |
| 喪中の方への配慮版 | 白無地の掛け紙(のし・水引なし) | お歳暮・御歳暮 |
| 故人への弔意もあわせて | 黒白(または双白・双銀)の水引 | お供え |
年内に届けられなかった場合の表書き
お歳暮の時期(12月初旬〜12月20日頃)を過ぎてしまった場合、通常は年が明けてから「御年賀」として贈るのが一般的です。
ただし、「御年賀」はお祝いのニュアンスが強い表書きです。喪中の方への表書きとしては推奨しにくく、相手によっては受け取りにくさを感じさせてしまうことがあります。
そのため、松の内が過ぎてから「寒中御見舞」として贈るのが無難です。松の内の期間は地域によって異なります。
- 関東・東北・九州など:1月1日〜1月7日まで
- 関西・四国など:1月1日〜1月15日(小正月)まで
松の内までに届けたい場合も、「御年賀」はお祝いの意味合いが強く喪中の方には推奨しにくいため、松の内明けまで待ち、寒中御見舞として統一するのが安心です。
⚠️ 注意点
「御年賀」はお祝いを意味する表書きのため、喪中の方への使用は避けた方が無難です。迷ったときは「松の内明けの寒中御見舞」に統一するのが安心です。
辞退・断りを告げられた場合
喪中の方から事前に「今年はお歳暮をご辞退させていただきます」とご連絡をいただくことがあります。この場合は、相手の意向を尊重して贈らないのが基本です。
それでもどうしても気持ちを伝えたい場合は、表書きを「お供え」として、日持ちするお菓子(焼き菓子・詰め合わせ等)やお線香などを贈るのがよいでしょう。「御歳暮」としてではなく「お供え」として届けることで、辞退のご意向とも矛盾しない形で気遣いを表現できます。
⚠️ 注意点
辞退のご連絡をいただいているにもかかわらず、同じ内容・同じ表書きでお歳暮を強行するのは、相手を困らせてしまう可能性があります。贈る場合は「お供え」として、相手が受け取りやすい小ぶりな品を選ぶと無難です。
故人宛にお歳暮が届いてしまった場合
近年は家族葬が増え、ご葬儀をごく近しい方だけで済まされるご家庭が多くなっています。そのため、訃報を知らせていなかった相手から、故人宛にお歳暮が届いてしまうというケースが増えています。
このような場合の対応手順は以下の通りです。
- 受け取ったらなるべく早く、電話でご連絡する
「先日お歳暮をお送りいただきありがとうございます。実は〇〇が〇月に他界いたしまして、お知らせが遅れて大変失礼いたしました」とお伝えします。 - お返しをする
受け取った以上はお返しをするのが礼儀です。後述の「お返しはどうする?」をご参照ください。
💡 専門家コメント
「受け取ってよかったのか」と戸惑う方も多いのですが、受け取ること自体は問題ありません。大切なのは速やかにご連絡してお礼とお詫びをお伝えすること、そしてお返しをすることです。電話でのご連絡が難しい場合は手紙でも構いませんが、なるべく早い方が相手も安心されます。
お返しはどうする?
喪中の時期にお歳暮をいただいた場合も、基本的にはお返しをするのがマナーです。
表書きは「御礼」とするのが丁寧です。のし・水引は白無地の掛け紙を使い、いただいた感謝の気持ちをお返しすることが大切です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表書き | 御礼 |
| のし・水引 | 白無地の掛け紙(のし・水引なし) |
| 金額の目安 | いただいた品と同額程度 |
| おすすめの品 | 日持ちする食品・カタログギフト(食品専用)など |
品選びに迷う場合は、日持ちする食品や食品専用のカタログギフトが無難です。通常のお歳暮と同様の品で差し支えありません。

まとめ:喪中のお歳暮マナーチェックリスト
- ✅ 相手が喪中でも、お歳暮を贈って差し支えない
- ✅ 忌中(四十九日以内)は時期をずらして、忌明け後に贈る
- ✅ 自分が喪中のときも、四十九日法要後なら贈ってよい
- ✅ 喪中はがきが届いた相手にも贈ってよい。水引なし・のしなしで
- ✅ のしは白無地の掛け紙を使い、表書きは「御歳暮」
- ✅ 年内に届けられない場合は、松の内明けに「寒中御見舞」として贈るのが無難
- ✅ 辞退のご連絡があった場合は、贈るなら「お供え」表書きで小ぶりな品を
- ✅ 故人宛に届いた場合は、すぐに電話でお礼・ご報告・お詫びを
- ✅ お返しは「御礼」表書き・白無地掛け紙で。金額はいただいた品と同額が目安
今回ご紹介した内容は、これまでのお客様とのお話を平均化・一般化したものです。実際には、どなたが亡くなられたのか、相手との関係がどの程度近いのか、故人と相手方のお付き合いがあったかどうかによって、最善の対応は変わってきます。この記事をひとつの参考として、ご自身の状況に合わせて判断していただければと思います。個別のケースについてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせページからご連絡ください。
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