
結納金の相場は、正式な結納・金封のみの略式のどちらであっても、100万円を選ばれる方がほとんどです。正式な結納の場合はほぼ100%といっていいほど100万円で、金封のみの略式の場合にまれに50万円・30万円とされる方がいらっしゃる、というのが現場の実感です。20年・2万件を超える相談実績から、実際の傾向を表にまとめました。
結納金の相場、現場で選ばれている傾向
| 結納のスタイル | 結納金の傾向 | 現場のリアルな状況 |
|---|---|---|
| 正式結納(結納セットを用意) | 100万円 | ほぼ100%といっていいほど、この金額が選ばれています。 |
| 略式・顔合わせ(金封のみ) | 100万円(まれに30万・50万円) | 金封のみで贈る場合も100万円を選ぶ方が大半ですが、まれに30万円・50万円とされる方もいらっしゃいます。 |
| 縁起を担ぐ場合 | 70万円・80万円 | 「末広がり」や「ラッキーセブン」として、縁起の良い数字を選ばれる方も一定数いらっしゃいます。 |
結納金の額に「こうでなければならない」という決まりはありません。まずは「結納品を準備するのか」「お食事会を兼ねた略式の形にするのか」といった「会の形式」から検討を始めると、自然と準備すべき金額の目安が見えてきます。
結納セットを用意する場合:酒料・肴料の相場
正式な結納セットには、結納金とは別に酒料(さけりょう)・肴料(さかなりょう)を包むための金封があらかじめ含まれています。マナーというより、セットの一部として自然と揃っているものとお考えください。
| パターン | 酒料の目安 | 肴料の目安 |
|---|---|---|
| ①スタンダード | 1万円 | 2万円 |
| ②最多(推奨) | 2万円 | 3万円 |
| ③格式重視 | 5万円 | 5万円 |
私の相談実績では、「酒料2万・肴料3万」の組み合わせが圧倒的に多数でした。金封のみの略式結納の場合は、酒料・肴料を用意しない方もいらっしゃいます。
酒料・肴料を包む理由は、本来は結納の席の食事代を女性側が持つのが昔ながらの習わしだったことにあります。男性側が酒料・肴料を包むことで、その食事代の一部を「持たせてください」という気持ちを表す意味合いが込められています。
「結納品を何にすればいいか」で迷っている方は、結納品の選び方と相場の記事もあわせてご覧いただければと思います。正式な結納品の構成から略式セットの選び方まで、まとめて解説しています。
結納金の包み方・渡し方のマナー
結納金の包み方にも、守るべき作法があります。ギリギリになって慌てないよう、事前に確認しておきましょう。
- 結納セットには専用の金封が入っているので、セットを使う場合はそのまま安心して使えます
- 金封を代用する場合は、水引が結び切り(あわじ結び)のものを選びます。蝶結びは使いません
- 表書きは、金封を代用する場合は「御帯料」「御帯」「寿」が正しい表記です
- お金は新札で用意し、帯がついたままの100万円を金封に入れて渡すのが基本のマナーです
- 袱紗(ふくさ)に包んで持参し、相手の前で取り出して渡すのが正式な作法です
⚠️ 結納金を包む金封について
結納セットで使われる金封は、一般的な祝儀袋によくある右上の熨斗(のし)飾りが付いていない、水引が結び切りの大判タイプが一般的です。結納セットを使うのであれば、そのまま使えば安心です。ただし、この専用の金封のみを取り扱っている専門店は多くありません。もし他の金封で代用する場合は、蝶結びのものではなく、結婚のお祝いで使うような結び切りの水引のものをご使用いただければと思います。
結納返しの考え方と「よくある誤解」
結納返しについては、受ける側である女性側のご家族からご相談をいただくことも多くあります。「先方が結納を持ってきてくださるそうです。お返しは何も要らないと言われているのですが、本当に何もしなくていいのでしょうか」と、恐縮しながら来店される方が少なくありません。
また、「結納返しはスーツや腕時計でいい」という認識もよく耳にします。半分は合っていますが、半分は整理が必要です。本来の考え方は次のとおりです。
- 帯料(結納金)へのお返し → 袴料(現金)が本来の結納返し
- 婚約指輪へのお返し → 腕時計・スーツがその対応品
- ただし現代では両家の話し合いで決めれば問題ありません。スーツや時計を結納返しとしてまとめるご家庭も多く、それ自体が失礼にあたるわけではありません
冒頭の「お返しは要らないと言われた」というご相談には、私は昔の習わしをお話ししています。かつて結婚は「相手の家に入る」ことでしたから、同居されるお父様・お母様・お祖父様お祖母様それぞれにお土産をお渡しする習わしがありました。何もしないのが気になるようであれば、この形でお土産を用意する方法があります。また、婚約指輪をいただくのであれば、そのお返しとして腕時計やスーツのお仕立て券を贈る方法もあります。
結納返しの目安:地域や習慣による違い
結納返しの金額は、お住まいの地域や慣習によって傾向が分かれます。
- 関西:私が20年間現場でお受けしてきたご相談では、結納金の1割程度が基本です
- 関東:「半返し」(結納金の5割程度)が多いといわれています
最近では、ご両家の出身地が離れていることも珍しくありません。「半分返すのが当然」と考えるご家庭と「1割が通例」と考えるご家庭とで、金額の多寡に誤解が生じてしまうケースもあります。迷った際は、事前にお相手側と「どのような形にするか」を軽くすり合わせておくと、当日をより晴れやかな気持ちで迎えられます。
結納金のその後の流れ
結納金は新婦家がいただくものですが、最近ではそのまま新郎新婦の「新生活の支度金」として、若い二人へ手渡されるケースが多く見受けられます。
- かつての傾向:新婦側が婚礼家具や嫁入り道具などを揃えるための費用に充てられていました。
- 現在の傾向:新居の初期費用や家具・家電の購入など、二人がこれから始める新しい生活の準備資金として活用されるのが一般的です。
💡 専門家の視点:親御さんから二人への贈り物として
結納金は、単なる形式的なお金ではなく、親御さんから「これでしっかりとした生活を築きなさい」というエールを込めて二人に託される、大切な支度金としての意味合いが強くなっています。具体的な使い道をあれこれ決めるよりも、二人が一番必要としているタイミングで役立ててもらうことが、贈り主にとっても受け取ったご家族にとっても、一番喜ばしい形といえるでしょう。
結納をするか迷っている方へ:そもそも結納は必須ですか?
「結納って今の時代、絶対にやらないといけないんですか?」という質問も、非常に多くいただきます。率直にお伝えすると、結納は必須ではありません。現在、結納を行うのは少数派で、顔合わせ食事会のみが主流です。正式結納、結納をせずに顔合わせのみ、どれを選んでも失礼にはあたりません。
ただし、お相手のご家庭が結納を大切に考えている可能性もあります。事前に相手の意向を伺っておくのが安心です。結納と顔合わせの違い・どちらが合っているかの判断基準は、結納と顔合わせの違いと選び方の記事で詳しく解説しています。
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まとめ:結納の準備で押さえるべき重要ポイント
- ✅ 結納金は正式・略式(金封のみ)を問わず100万円を選ぶ方が大半。正式はほぼ100%、略式ではまれに30万・50万円も
- ✅ 結納セットには酒料・肴料の金封もあらかじめ含まれている。酒料2万・肴料3万が最多
- ✅ 結納セット専用の金封を使うのが安心。代用する場合は水引「結び切り」を選び、蝶結びは結婚・結納では使わない
- ✅ 結納返しの正式な形は「現金(袴料)」。スーツ・腕時計は指輪へのお返し
- ✅ 結納返しは関西では1割程度が基本。関東では半返し(5割)が多いといわれる
- ✅ 結納金は新生活へのエール。親から子へ「支度金」として託すのが現代の流れ
結納は、大切なお子様たちの門出を祝う、親御さんの誠意を形にする場です。形式や金額の「傾向」を事前に把握しておくことで、当日は自信を持って、晴れやかな気持ちで臨んでいただければと思います。


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